女性ホルモンについて
生活習慣だけでなく、メンタル面もホルモン分泌に影響することがわかっています。感動したり、ドキドキ、ワクワクしたり、ときめいたり、おなかの底から笑ったりすると脳内にドーパミンが分泌されます。するとエストロゲンの分泌を指令する視床下部が同時に刺激され、増加するといわれています。また、香りや言葉づかい、服装によってもエストロゲンの分泌を刺激する効果が得られます。毎日、ちょっとした工夫でホルモンバランスが改善すると言われています。
1,女性ホルモンとは
女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つがあり、どちらも卵巣から分泌されます。エストロゲンは「女性らしさ」を作るホルモンで乳房や生殖器の発達、子宮内膜の増殖、月経、妊娠、丸みを帯びた女性らしい体つき、肌の潤いやハリなど、女性の成長や美容に深く関わり全身の健康にも貢献しています。
2,エストロゲンの働き
卵子を包んでいる「卵胞」から分泌されるホルモンで特に次のような働きがあります。
- 乳房や性器の発達を促す
- 丸みのあるラインなど、女性らしい体つきにする
- 子宮内膜を増殖させて妊娠の準備をする
- 骨、血管、関節を健康に保つ
- 認知機能を維持する
- 肌や粘膜を潤す
3,プロゲステロンの働き
排卵後、卵胞が変化した「黄体」から分泌されるホルモンで特に次のような働きがあります。
- エストロゲンによって増殖した子宮内膜を成熟させ、受精卵が着床しやすい状態にする
- 妊娠したときに、その継続を助ける
- 体温を上昇させる
- 食欲を増す
- 水分をため込む
- 腸の働きを抑える
- 眠気を催す
4,月経の周期とホルモンの関係
月経周期の前半にエストロゲンが分泌され、後半にはプロゲステロンが増えます。女性の体内では、このようなホルモンの変動が毎月起こっています。これは妊娠に向けた準備なのですが、その一方で、このホルモンの「波」のあおりを受けて、体調を崩す女性も多いのです。その代表が、月経前にイライラや情緒不安定、頭痛などが起こる『月経前症候群(PMS)』です。女性ホルモンが働いて月経が起こること自体は健康な証拠なのですが、それが長い期間、毎月繰り返される状態が続くとPMSや月経痛に苦しむ回数が増えるだけでなく、子宮内膜症などの病気になるリスクも増えてしまいます。
5,更年期と女性ホルモンの関係
一般的に45歳頃になるとエストロゲンが減少し始め、50歳前後で卵巣からの分泌が止まり閉経を迎えます。この閉経をはさんだ前後5年の約10年間を更年期と呼びます。女性の体と心を長年にわたって支えてきたエストロゲンがなくなるため、発汗、のぼせ、イライラ、関節の痛みなどさまざまな心身の不調が現れやすくなります。
6,女性ホルモンを促すポイント(食事)
体内のホルモン分泌を正常に保つためには、バランスのよい食事が欠かせません。また、食事のタイミングについて、決まった時間に摂るのがよいといわれています。タンパク質はホルモンの原料となるため、毎日必要量を適度に摂取することも大切です。また、ホルモンの生成には原料であるタンパク質以外にもさまざまな栄養素が必要不可欠と言え、ビタミン類やオメガ3系脂肪酸、マグネシウム、カリウムなどさまざまな栄養素をバランス良く取り入れることが大切と言われています。
7,女性ホルモンを促すポイント(睡眠)
女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、卵巣にホルモン分泌の指示を出しているのは脳の視床下部です。充分な睡眠を摂らず疲弊し、脳の働きが悪くなってしまうと女性ホルモンに限らず、全身のホルモン分泌の指示系統が乱れてさまざまな影響を及ぼしますので質の良い睡眠を心がけてください。
8,女性ホルモンを促すポイント(運動)
適度な運動を行うと血行がよくなり、卵巣や視床下部にも充分な酸素や栄養が届きやすくなります。ホルモンを分泌する器官を健康に保つことで、女性ホルモンの分泌を促す効果も期待できます。
9,ホルモンバランスが崩れると
- 月経周期が乱れる、月経が止まる
- ウエストくびれがなくなる
- 代謝が落ち、太りやすくなる
- 骨がもろくなる
- 肌荒れ、シミ、くすみ、たるみ、大人のニキビ
- 髪のコシがなくなる、抜け毛が増える
- イライラ、うつ、情緒不安定
- 汗が多くなる
10,女性ホルモンとマッサージ
女性ホルモンのバランスを整えるのにおすすめツボは「三陰交(さんいんこう)」「血海(けっかい)」「陰陵泉(いんりょうせん)」という3つのツボを刺激することが効果的と言われています。