膣ケア・フェムケア
膣は生理や妊娠、出産などに関わる大事な部位です。しかし、顔や髪といった他人から見られる部分に比べると、膣を含むデリケートゾーンのケアをきちんと行っている女性は少ないです。デリケートゾーンの乾燥やニオイ、かゆみ、膣のゆるみなど、気になる不調がある人は、日頃から膣ケアをすると改善が見込める可能性があります。
【フェムケアのよくあるご相談】
- 自分でケアできないので
- においが気になるのでケアしてほしい
- 乾燥気味なので保湿してほしい
- ゆるみが気になるので確認してほしい
- 性交痛があるので相談したい
- 痛みや感度を確認しておきたい
- マッサージでほぐして血行をよくしてほしい
- 潤いがなくなったので確認してほしい
- アンダーヘアの相談や確認してほしい
- セックスレスのためメンテナンスしておきたい
1,膣内を酸性に保つ
膣の中は酸性ですので、膣内の調子を整えるには、膣内を酸性に保つことが大切です。そのためには、乳酸菌の働きが重要になります。そのためには栄養バランスのとれた食事をとったり、質の良い睡眠、適度な運動、ストレス解消などの対策が効果的です。規則正しい生活を心がけてください。
2,膣を正しく洗う
デリケートゾーンには尿やおりもの、汗などがが溜まりやすく、きちんと汚れを落とさないと雑菌が繁殖しやすくなりますが、皮膚が薄く刺激に弱い部位なので、ごしごし洗うのはNGです。爪で傷つけないように注意しながら、やさしく指で洗ってください。また、トイレのビデ機能で膣を洗いすぎることも避ける方が良いと言われています。
一般的なボディソープの場合、アルカリ性で洗浄力の強い界面活性剤が使われているものが多いため、デリケートゾーンには刺激が強く、乾燥させてしまい不快感を引き起こす可能性があります。基本はお湯で洗い、ソープを使うなら弱酸性で肌にやさしいものを選んでください。
洗い残しがないように前から後ろに向かってやさしく洗ってください。特にひだ状の小陰唇と大陰唇には汚れが溜まりやすいため、丁寧に洗うのがポイントです。
3,膣の保湿
デリケートゾーンも顔と同様、クリームやジェルなどの保湿アイテムで乾燥を防ぐことが大切です。ただしデリケートゾーンは皮膚が薄いため保湿アイテムの使用が刺激となってトラブルが起こる可能性が高いことに注意が必要です。そのため、初めて使う保湿アイテムは、まず腕の内側に塗布してみて、赤みやかゆみが出ないことを確認してからデリケートゾーンに使うようにしましょう。
「下着に触れるとヒリヒリする」「膣まわりがカサついてかゆい」という場合は、乾燥が原因かもしれません。
- デリケートゾーンが乾燥する原因は、ストレスや不規則な生活によるホルモンバランスの乱れが考えられます
- 脱毛による刺激の可能性があります
- 下着や生理用ナプキンなどの擦れによる炎症の可能性があります
- ゴシゴシ洗い・洗浄力の強いボディソープによる刺激があります
4,膣のメンテナンス
デリケートゾーンの保湿には、ワセリンやデリケートゾーン専用クリームを使うと良いです。ワセリンは天然成分の石油を精製した保湿剤で、高純度のワセリンはデリケートな赤ちゃんのスキンケアにも使えます。赤ちゃんにも使えるワセリンは肌への刺激が少ないとされているので、デリケートゾーンの保湿にも役立ちます。お風呂上がりは乾燥が進みやすいため、顔よりも前にデリケートゾーンの保湿ケアをすることをおすすめします。バスタオルで軽く水分を拭き取ったら、大陰唇より内側は避けながら、保湿剤をデリケートゾーン全体に優しく塗りましょう。
5,膣周りのマッサージ
膣ケアをするなら膣美容法として話題になっている「膣マッサージ」もあります。膣マッサージは膣の中と膣まわりを含むデリケートゾーンをオイルマッサージする膣ケア方法で、健康や美容に役立つさまざまな効果が期待されています。しかし、自分で触れるのは恥ずかしいという思いから、膣の中に自分の指を入れることに抵抗がある人は少なくありません。まずは膣の外側から始めて、慣れてきたら膣内もマッサージしてみましょう。 また、膣のゆるみの改善や尿漏れ予防効果も期待できます。萎縮性膣炎の予防にも膣マッサージは効果的です。膣マッサージすると適度な刺激が潤いをもたらし、オイルによって膣内の保湿ケアも行えます。
膣マッサージは、お風呂上りの清潔な状態で行い、使用するオイルは肌への刺激が無いものを選んでください。デリケートゾーン全体をなでるようにオイルを塗り、大陰唇→小陰唇→膣口(膣の入り口)→会陰の順に、指を使って優しくなでるようにマッサージをしてください。
6,膣内のマッサージ
- 人差し指にワセリンや専用オイルを塗り、第一関節から第二関節くらいまでゆっくり入れて、お腹側の膣壁を優しく押しながらマッサージする
- 親指にオイルを塗り、肛門側の膣壁に指の腹が当たるようにして第一関節から第二関節くらいまでゆっくり入れる
- 人差し指を会陰に置き、親指と挟むようにして揉みほぐす
- 肛門側の膣壁も親指で優しく押しながらマッサージする
7,毎日の膣トレ
- 両足を揃えて立ち、手をお腹とお尻に添えて姿勢を正す
- 骨盤底筋を意識して、息を吐きながら膣・尿道・肛門を10秒程度かけて締める
- 次に息を吸いながら、10秒程度かけて緩める
- ゆっくり締める、ゆっくり緩める動作を2〜3回繰り返す
8,膣トレのメリット
膣トレの効果を確認したいときは、排尿中に尿を止めてみましょう。止めることができれば、膣トレによって筋力がついてきているといえるでしょう。ただし、膣トレがうまくできていない場合や、膣トレだけでは効果が薄い場合は、膣の緩みや尿漏れなどのトラブルが改善されないこともあります。
9,膣まわりの黒ずみ
デリケートゾーンの黒ずみの原因としては、主にホルモンバランスの乱れ、摩擦による刺激、代謝不良などがありますが、直接の原因はメラニンです。特にデリケートゾーンのように薄い皮膚は皮膚を守るため、メラニンの生成が活発で、黒ずみやすくなります。また、黒ずみは女性ホルモンとも関連しており、妊娠すると乳首が黒くなるという話を聞いたことがあるでしょうか。女性ホルモンの数値が高いと黒ずみも強くなるので、黒ずんでいるからと不安にならなくて大丈夫です。黒ずみが女性ホルモンの影響を受けているということは、女性ホルモンがたくさん分泌される20代、30代は特にデリケートゾーンの黒ずみを感じやすい年齢なので、それほど気にしない方がよいです。
膣ケアは「酸性に保つ・洗う・保湿する・ほぐす・鍛える」の5つの方法が基本となり、日常的にケア方法を実践することで不調や悩みの解消や健康、美容の維持につながります。